別れた人との思い出の場所を通れない

EFT体験談 「別れた人との思い出の場所を通れない」

EFTは、心の奥に隠れた思いや感情、身体感覚を引き出し、安全に解放する心理セラピーです。

「別れた人との思い出の場所を通れない」という気持ちの中にあった様々な感情に気づき、EFTを使って安全に解放し、行動に変化が起こった一例をご紹介します。 

当時、付き合っていた人と別れて1ヶ月ほどころ。
近所の大きな駅のコンコースを通ろうとした時でした。

『この道を通りたくないな』

なんとなくの思いではありますが、足を止めるほど確かに、これから進む場所に対して嫌な気分がありました。

高架上の駅から大通りを挟んだ向かいのショッピングモールまで、最短の道です。
距離にするとほんの十数メートル程度です。
それでも私はその日、階段を降り、交差点の信号待ちをし、遠回りをしました。

私に遠回りをさせたものは何だったのでしょう。

その時に思い当たった理由こうでした。
ここは別れた相手と何度か通った道。時には待ち合わせをした場所。
だからきっと、嫌な思い出の場所になってしまったんだ。
だけど、そんなことくらいで通れない場所があるのは自分が執念深いような、心が狭いような、認めたくない気分でした。

この話を友達にした時に言われた言葉で『 EFTで克服しよう』と決めました。「ああ、それね…半年くらいかかるよ」
友達は遠い目をして言いました。その言葉には経験による確かな重みがあり、私は焦りました。
時間が経てばなんとかなるよ。そうも取れます。
ですが私には、この場所だけでなく数々の思い出の場所が半年間通行止めになるという不自由な自分のイメージが浮かび、焦ったのです。

お風呂でゆっくり湯船に浸かりながら EFTを始めました。
まずはメインとなる感情の大きさを見たいのですが、この場合「怖い」や「悲しい」というハッキリとした感情が分かりません。
あるとしたらその道を通ろうとした時に感じた「嫌悪感」。
それにくっついている思いは「なんとなくここ嫌だなあ」です。
とりあえずそれをセットアップフレーズに入れてタッピングをしました。

「あの道を通ろうとすると嫌な気持ちがあるけれども……」
「私は大丈夫です」

しばらくタッピングしていると、体の感覚も思い出して来ました。
重たくなる足の感覚、緊張して動きづらい体。
それもタッピングの際のフレーズに足して行きます。
しばらくして、深呼吸をし、感情や思い、感覚の変化を確かめてみます。

さっきは無かったイメージが思い出されました。
楽しくて、笑いあっている二人。付き合っていた時の私達の姿と、その時の『なんの心配も無い』という安心した気持ち。
それが出て来ると同時に『もうこれは無くなった!二度と戻らない!』という強い思いが出て来ました。
そして大きな悲しみと、もっと大きな喪失感を感じました。

私はこの想いと、この感情を感じたくなかったから、あの場所を通る事を避けていたのです。
それがハッキリとは自覚できていなかったので「なんとなく」この道を通りたく無いな、
だけどこんなにも強い感情が隠れていたので「足を止めるほど確かに」嫌な気分だったのです。

 EFTでこの大きな喪失感をタッピングしていきます。
隠れていた大きな感情が現れて、泣きながらの作業ですが心の片隅に『この喪失感を見つけられてよかった』と安堵している部分もあります。
胸にぽっかり穴が空いたような欠落感、そして『その欠落感はもう二度と埋まらない』と信じている自分の悲しみ。
二段構えの大きな感情のラッシュでした。
これを見つけられずにそのまま放っておいて、日常を過ごすことももちろんできます。
だけど、この時これを見つけられて、自分を救ってあげられて本当によかったと安堵しました。

タッピングと深呼吸を何度か繰り返し、感情のレベルが下がり、その夜は泣き疲れてぐっすりと眠りました。

なんの心配もいらない人間関係、誰かと一緒にいてもリラックスしていられる、そういう繋がりにとても憧れている私。
それを手に入れて、失って、もう二度と手に入らないと思っている私。
たくさんの新しい自分を発見し、でも実はずっとそうだったなと思い当たりながら
(今まで気づいてあげられなくてごめんね)と自分に謝りながら眠りました。
(手に入れた感覚、失った感覚、もう手に入らないという思い、全部が小さな私の思い込みだったんだな)

 EFTは、終わりにセルフチェックができます。
今回はテーマとして扱った駅前のあの場所へもう一度行ってみよう、と想像します。
変化は歴然でした。
重たい足の感覚も、『この道を通りたく無いな』という思いも、湧いて来ません。
イメージの中のその場所は、少し明るく色づいて思い出されます。
そして、別れた人とそこを歩いている自分を思い出すと、喪失感や悲しみではなく安心感と楽しかった気持ちが湧きました。
その思い出にくっついていた最初の感情が、そのまま出て来たのです。

後日、その場所だけでなく、思い出せる限りの二人で行った場所に ついてEFTをしました。
もちろん問題の場所、道は普通に通れるようになりました。
浮かんでくる思いは「懐かしいな」「あれはいつだったかな」などのたわいないものに変わり、半年間通行止めになるなんてことも起きませんでした。

 EFTを行った後に行動に変化があってわかりやすい例としてご紹介いたしました。
大きな感情の扱い方が分からずに困っている方にはもちろんオススメですが、
感情が分からない時もこんな風に使うことができます。
自分で自分の心をケアすることができる EFTというツールが、もっともっと広まって欲しいという願いを込めて。

大坪まどか

JMET EFTプラクティショナー
クラニオセイクラルセラピスト

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