不安が起きたとき、ホッとできる心のケア

今年はここ例年になく雪が降り、寒い冬でした。
ようやく、あたたかくなり春の日差しや風が気持ちいいです。

そんな中社会情勢においては、長引く新型コロナウイルス、ロシアのウクライナ侵攻、3月の福島沖地震と想像を遥かに超えた出来事が続き不安が強くなっている方や
、春からの新しい生活に期待と不安が入り混じっている方も多いのではないでしょうか。

不安を感じている時、私たちの中で何が起きているのか知って、ご自身への理解を深めてみて下さい。

合わせて、ほっとできる心のケアもご紹介させていただきます。

【不安はあっていい】

そもそも不安とは?

不安とは、モヤモヤした霧の中に正体はみえないけれど存在する、あの得体のしれない感覚のことですね。

〇〇恐怖症など相手や対象になるものが特定されている場合は恐怖。

それ以外の対象がはっきりしていないものを不安と呼びます。
現れたり消えたりしながら誰でもあるもので決して悪いものではありません。

生物にとって危険な状況から生き延びるための、正常な防衛反応です。

例えば、
私は先日の地震で、中々止まない大きな揺れを感じながら
東日本大震災のような惨事になるのではないかと不安に襲われました。
これから避難した方がいいのか頭をよぎります。
揺れがおさまっても暫く心臓はドキドキしたままでした。

こんな風に、短い時間の中でも防衛反応は瞬時に稼働されます。

この場合は端的な不安ですみましたが、「将来の不安」ひとつとっても人や状況によって不安度が大きく違います。

この不安が大きいとき、思考が忙しくなっていませんか?
頭から足裏までの体のどの部分が一番働いているかイメージしてみましょう。

多分、頭ではないでしょうか。

頭にエネルギーが集約され、思考が過剰にはたらき、不安を膨らませてしまいます。


思考と不安には大きな関係がありそうですね。



危険な状況から回避しようとするとき、私たちは思考でストーリーを作ります。

こうなって、ああなったらマズイ。

そうならないよう、ああしようなど。



危険を回避するはずの思考が逆に、ストーリーを膨らませ益々苦しんでしまうという
悪循環のパターンです。


 

ここで一旦、思考をSTOP
。
不安のモヤモヤを大きくせずに、あなたの気持ちに気づくことで大丈夫感を取戻していきましょう。

【今、ここに意識を向ける】

思考は危険を回避し安全な状態を維持したがります。

今ここにいることから離れて、あれやこれやと妄想を膨らませて心身を疲弊しがちです。
その時、当然ながら思考は今にいません。

過去の情報をもとに未来に思いをはせていることが多いです。




不安が強くなってしまった場合の対処法は



①身体に意識を向ける
②思考に気づき共感する

の2点から始めてみましょう。

まず、その不安なことを思うと身体のどの辺りに
その感覚を感じるか意識を向けてみます⇒①

落ち着いてきたら、
今度は思考に意識を向けてみます⇒②

地震のケースで例えてみると、

① その時のことを思い出すと動悸が早くなる⇒
心臓の辺りに手を添えて鼓動を感じながら深呼吸。

動悸が落ち着くまでしばらくゆっくり続けてみます。

② 少し身体が落ち着いてきたら、どんな思考があるか気づいてみる。
「大きな揺れで怖かったね。長かったね。あれで済んで良かった」など

自分の思いに寄り添い共感していきます。

「自分は被害がなかったのだから、これくらいは我慢しないと」という思いがあっても
「そんな思いもあるよね」と抑圧せずに、素直にあなたの気持ちを受け入れてみてください。

感覚や気持ちが軽くなってきたら、
部屋を見回し、目につくもの3点くらい目に止め
今いる場所は、安全で大丈夫なことを確認します。

・もう危険は回避されている
・それは起こってないこと
・今は大丈夫なことに気づく

その時、緊張していた身体がゆるんで自然と深呼吸や、
身体を軽く動かしたくなるかもしれません。
身体がしたいことをすることで解放につながります。

ポイントは、内側に意識を向けて
体感、思いが「ある」ことに気づき寄り添うことです。
出来る範囲で大丈夫です。
不安が出てきたら、繰り返しやってみて下さい。

また一人で抱え込まずに、人とつながり共感することも安心感を取戻す効果的な方法です。
直接会えなくても電話やメールでつながってみてくださいね。

実際、私も地震の怖さを周りの人と話すことで安心しました。

【身体と心のバランス】

最後に、私たち現代人は思考が優位になりがちな生活です。
しかし、その思考は正解でも不正解でも、真実でさえありません。

不安の大きい方ほど、いつの間にかそれが本当のことのように錯覚して囚われがちです。


実際、思考に囚われてしまうほど考えも視点も狭くなり益々混乱するばかり。

そんな時は、ほっと一息つきましょう。

身体をいつもより動かすことで、思考のループをリセット。

意識的に休ませます。

自然を眺める、散歩する、お掃除をする、おいしいものを作る・食べる、

塗り絵、絵を描く、面白い動画をみて和むなど、
気持ちが軽くなり、いつでも簡単にできることをしてみてください。

自分に優しく、心に平和をひろげて
軽やかに、春を楽しんでいきましょう。



心理セラピスト 加藤 直美


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