つまり虐待とかそういったものでなくても、養育者の無意識にしている日常的なふるまいでトラウマとなり、子どもが大人になった今でも、職場や家庭でそれを再現しながら生きている、ということはよくあります。
例えば下記のようなことも、不適切養育に当てはまります。
<兄弟格差があること>
男の子を可愛がる、女の子を可愛がる、長男を特別扱いするなど、兄弟でその対応にあまりにも差あること
<いつも文句を言ったり、否定的なリアクションが多い>
部屋で勉強していたら、そんなに勉強しなくてもお母さんはできたわと言ったり、買ってきた服にダサいと文句を言ったり、いつもため息ばかりついているなど。
<子どもに愚痴を聞かせる>
養育者が自分の不満や不安、家族間(祖父母や父母など)の愚痴を聞かせ続けること
<子どもの呼びかけなどに答えないこと>
話しかけても、ちょっと待ってと言って放っておくことが多かったり、
子供の質問や呼びかけを自分のしていることに熱中していて気づかなかったりすること
<必要なケアをしない>
子どもが病気になったり怪我をしていても、大したことがないと思って病院に連れて行かなかったり、自分の心配事が先に立って子供のケアに意識が向かず、必要なケアをしない。
他にも、下記のような行為も含まれます。
・過度の心配性 ・過干渉で子離れできない ・子どもに思いやりのない言葉かけをする
・子どもに手をあげる ・子どもに嫉妬する ・夢を否定する・勉強、トレーニングを強要する
詳しくは、「その生きづらさ、発達性トラウマ? 」花丘ちぐさ著を読んでみてくださいね。
*上記の例は、私がセッションで多い例を書かせていただきました。
私たちが育っていく過程の中で受けるこうした慢性的な不適切養育は、同調の欠如や情緒的ニグレクトとなって、心身に不調が生じる「発達性トラウマ」になっていることがあります。
発達性トラウマは、私たちの健全な自律神経系の発達を阻害し、特に腹側迷走神経系の機能不全に陥らせてしまいます。